
頭上に張られた円環は意識を循環に導く。意識から派生する物事は循環の輪に定着する。輪を逸脱するには生みだされたもの自からが波動を生み出す必要がある。自らを波動させるエネルギーを持つ存在はわずかだ。故に、円環に導かれたオブジェは停滞や不思議な重力を醸す。
とくにエネルギー量の欠けた死者を弔う作為においては停止・停滞・密度をの欠けた閉塞感を滞在させる。何が存在を生み出すのかは不明だがわずかに浮遊するものがある。存在の非存在が一定の密度を持つと空間に現れることかもしれない。
知人が亡くなり葬られた墓苑に向かった。到着を待つ建造物は朝の大気の流れに呼応し静謐な空気がゆるやかに漂う。かすかにある波動が背後にある里山に向かい大気をゆるゆるとおくる。気の波動がみえる。
近づくと、目上に張られた円環のオブジェは円を描きつつ、背後にある緑陰に向かうが途中で切れる。青龍を中心に玄武と白虎に押し出す納骨堂が円環の成就を押しとどめ、気は青龍と化して古来死者が住まうという山々に向かいゆるやかに昇る。
